2014年10月5日日曜日

煙の主

38歳、はじめの日は早起きをして散歩をする。
宿の隣が神社だったのでお参りすると
「あんたもあたりんさい」と煙の奥から声がする。




煙の後ろの回るとおばあちゃん。
どこから来たとか、どこにいくといいよ、などと話をする。
話が進んでくると「遠野はほんとうにええじゃろう」と郷土愛をごり押して来た。
遠野以外は住める場所ではないとばかりの口調である。
昨夜の民宿のおばあちゃんもそうだった。
これだけ自分の町を一片の疑いもなく自慢するのは、
遠野人か京都人ぐらいじゃなかろうか。
田舎なのに、これだけ自分の町を誇っているのは清々しくもある。

たき火で体が温まるとともに、話も温まってきたので
「ぼく、今日が誕生日なんですよ」と言おうとしたが
昨夜に無視されたのを引きずっていたのでやめておいた。
それにしても、焚き火から離れたくないほどの冷え込みである。
気温は8度、Tシャツに薄いブルゾンで歩くには寒すぎる。 (六日町)

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