2017年11月30日木曜日

芸術的な1日

「昼から日本のアート関係者が視察がくるからケイタも同行したら」
と商さんに言われて一度、白屋に戻った。
やってきたのは秋元さんという東京芸大美術館の館長さんであった。
秋元さんは、直島美術館の初代館長で、金沢21世紀美術館の2代目館長。
両方、とても大好きな美術館!これはラッキーとテンションあがる。

まずは白屋の周りにあるアトリエへ。
かつての製糖工場の倉庫がアトリエになっている。


中を見る視察団。

絵を描いていたのは白髪で初老の男性。
1枚の絵がかなり大きい。

たくさんの絵の具。

次のアトリエへ移動。写真左が芸術村のボス、蒋さん。
右がラヘイツという名前の、台東に住むアミ族のアーティスト。
ラヘイツは砂浜に漂着するゴミを作品に変えている。
秋元さんが来るということでラヘイツはわざわざ台東からプレゼンにやってきた。


続いて行ったのが李俊賢さんのアトリエ。
李さんは画家としての活躍はもちろん、
高雄市立美術館の館長を務めた、台湾のアートシーンの重要人物である。
左が秋元さんで右が李さん。絵の意味について語り合っている。


李さんの原住民シリーズという絵。
バットとタコだ。かなりかっこいい。しかも、センスが若い。

こちらもなんだか不思議な感じ。
既存の漢字を組み合わせて新しい漢字を作ってメッセージを発信している。



これが画材。スプレーもよく使うとのこと。


李さんとその作品と一緒に。ご高齢だがまだまだ眼光が鋭い。


その後は、駁二芸術特区へ。
午前中に行ったばかりだったが引き返す。
秋元さんがとくに見ておきたいと行ったのが Gallery Yamaguchi。
大阪の現代アートの老舗ギャラリーが Pier 2 にオープンとのこと。
台湾の雑多な色と物体の氾濫とは対照的な徹底したミニマルっぷりであった。

最後に秋元さんと写真を撮ってもらった。
秋元さんは短い間だけど、現代のアートシーンや、
日本と世界のアートシーンの違いなど本当にいろんなことを教えてくれた。
日本でもなかなかないほどに、朝から晩までとても芸術的な1日だった。

高そうな高雄

高雄の地下鉄に乗る。
高雄の地下鉄も日本のように無機的であり、乗客も日本人のように疲れている。


高雄市立美術館で働いている友人に会ってから、
最寄り駅まで歩いていると高層ビルが並ぶエリアに来た。

値段も高さも高いマンションがズラりと並んでいる。





近くにあった学習塾。
きっとお金持ちの子息たちが通っているのだろう。


公園のゴムの植木の枝にはスニーカー





そして、ビルのすぐ脇には普通の台湾が広がっている

(高雄)

芸術と芸術の間


高雄の新名所「駁二(ばくに)芸術特区」通称「Pier 2」へ。
港湾地区の倉庫群とその周辺に芸術作品が置かれている。
線路は日本が植民地時代に作ったサトウキビを船へと運び入れるために作った。


平日であったが観光客は多い。


線路に寝転んでアイスを食べるキッズたち。
アイスがおいしいほどに高雄はあったかい。

 こんなアート作品よりも

おばちゃんの方が派手だったりする

誠品書店という蔦屋書店の元ネタといわれる大きな書店。
芸術区の中にだけあってアート関係の書籍が特に充実している。


そこにぼくが掲載されている雑誌があった。うれしいので購入する。


PIE BOOKSから出版された
『デザインで地域を元気にする、プロジェクトと仕掛け人たち』という
本が中国語に翻訳されて台湾に売っているのである。






中身はこんな感じ。全て中国語で不思議な感じであった。
台湾で出会った人の何人かこの本を持っていてうれしい限り。

書店の裏には掃除のおばちゃん。


道路を渡って別のエリアへ。
これは作品なのか、コンテナなのか。コンテナと信号の赤が映えて美しい。


 鉄でできた大きなロボ

 ロボの前では女子たちがポーズを撮ってインスタ映えを追求している

壁一面のトリックアート。

 アート作品と普通の樹木

アート作品とおばさん


おしゃれなアートエリアの隣には庶民の暮らし。

このように、芸術作品もさることながら、
ところどころに垣間見られる芸術と芸術の間もまたおもしろい。
駁二芸術特区が広大だからこそ現れるおもしろさ。

(高雄)

2017年11月29日水曜日

ポケモンの巣

台南から高雄に移動する。
宿泊する場所は橋仔頭糖廠芸術村という、
今回ぼくを招いてくれた蒋(ジャン)さんの芸術村。



高雄中心から北へ電車で30分ほど行った郊外の公園の中にある。
元々はサトウキビの工場であった。跡地に住宅地が造営される予定であったが
地元に住む蒋さんたちが反対運動を行って、見事保護されて公園になった。

 「白屋」(バイウッ)というのがここの愛称だ。
事務所は白く美しく、たくさんの絵画が飾ってある。

こんな綺麗なところに泊まれると思ってラッキーと思っていたら、
離れの建物だった。
中はこのように必要最低限のものしかない。
とはいえ、贅沢は言えない。タダで泊まれるのだからありがたい。


公園には スマホをいじっている人がたくさんいる。
どうやらみんなポケモンGOをしているようだ。
ここはたくさんモンスターがいるらしい。


サラリーマンがアイスを食べながらポケモンポケモンGO





若者だけではない。おじさんも負けてはいない。
夕陽を浴びながらポケモンGO

 お父さんはスマホで、お母さんはタブレットでポケモンGO


熱帯性の樹の下でポケモンGO


老夫婦が寄り添いながらポケモンGO。

夕陽を浴びていたおじさんが場所を変えてポケモンGO


おじさんたちがテーブルを囲んでポケモンGO ではなく麻雀だ。

翌朝起きて公園を散策するとポケモンGO

 昼下がりに帰ってきてもポケモンGO

スマホをホルダにつけてポケモンGO
台湾では老若男女に人気のポケモンGOであった

(橋仔頭公園)