2012年9月9日日曜日

町をおこすべきか おこさぬべきか

おもしろい場所があると連れてきてもらったところは廃校になった木造校舎。
誰も利用しなくなった家屋を利用し、
熊野で収穫した小麦を使ってパンを焼き、販売したり、
熊野に移住を考えている若者たちに無料で宿を提供している。





校舎には生活の跡。
図書室だったところがこのように利用されている。

このプロジェクトをしているNPO共育学舎の代表三枝(さいぐさ)さんに
いろいろと話をきいてみた。
「地元の人たちはよそ者にはやはり厳しいですよ。
  だから、はじめによそからきた若者を温かく迎えてあげられる
 場所をつくりたかったのです」

ぼくも新世界の町おこしに足をつっこんでいるものだから、
町おこしについてきいてみると

「町おこし、しない方がいいですよ。
 町をおこした途端に大きな資本がやってきて店を展開し、利益を吸い上げ、
 利益がなくなったらもう店をたたみ他の所へいく。地元には全く還元されずに。
 静かに町がなくなっていく。それもひとつのあり方なのです」

地元の人たちは何もないところから、数十年、
場所によっては数百年かけて町をつくった。
そんな人がたくさん集まって生活を営んでいるところに、
他所からやってきた人々は店を出し、利益をあげる。
利益は本社のある東京や大阪、場合によってはアメリカなどへと行ってしまい、
地元の人間のお金は吸い取られるが地元へはお金は落ちない。
やがて、町は活力を失っていく。

新世界市場も町おこしに成功するとチェーン店がたくさん入ってしまうのだろうか。
非常に考えさせられる言葉だった。