天気予報では微妙な予報だった。直前まで曇っていた。
日食の時間が近づくにつれ雲は薄くなり、晴れ間が現れた。そして、日食が始まった。
空はいつも、一枚絵のように太陽や月や星で埋まる。
しかし、それぞれは絵のように平面上にあるわけではなく、地球からの距離も違う。
月がいちばん地球に近い惑星で太陽はもっと遠くにあって、ということは
頭ではわかっているのだけれども、頭でわかっているだけ。
月が太陽に重なっていく過程を見ていると、月は太陽の手前にあるということを、
宇宙の奥行きを、全身で感じることができた。
光の輪がつながった。
この世紀の瞬間をぼくは日食メガネを通してもみたいし、サングラスでもみたいし、肉眼でもみたいし、写真に撮りたいし、iPhoneでも撮りたいし、動画でも撮りたいし、iPhoneの動画でも撮りたいし、日食を見ている人たちの写真も撮りたいし、友だちとこの喜びを共有したいし、一人でじっと見ていたい気もするし、人の影が奇妙だからそれを写真に収めたいし、日光の色が奇妙だからそれも写真に撮りたいし・・・まったく落ちついて鑑賞できない。
出産の瞬間のような、すべてをこの体で感じて、すべてを写真と動画におさめたい
という不可能な欲求があふれてもうパニック。
こういう時にどんと構えて落ち着いて物事と向かい合う男でありたい。
太陽の光が蛍光灯のような色味を帯びていた。
屋内セットで蛍光灯で太陽光を再現するときのような色だった。
一体、どういう現象なのだろう。
写真はきっと晴れを呼び込んでくれたに違いない素敵なDJ&VJ陣
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