2017年8月19日土曜日

大野山大宇宙祭  〜完璧な夜〜

大宇宙祭当日。
宇宙人を呼ぶ準備をしなくてはならない。
まずはを柏木テンが
宇宙人へ向けての地上絵を早朝より描きはじめた。


早起きした甲斐があって、昼頃にはできあがっていた。


イベントは昼過ぎより始まった。
まずはウォーミングアップということで、
大人や子どもも一緒になって、
宇宙語の曲を作ったり、
宇宙服と宇宙人に向けたダンスを作った。






夕暮れになった。そろそろ本番が始まる。

我々はライブを知らせるために場内を練り歩いた。
キャンプ場の緑の芝生の中を光る奇妙な一団が練り歩いた。





会場の山頂に着いた。雲の中から夕日が放射状に広がっていた。
天国のような風景だった。


山頂には前田文化というユニットが作り、
Yottaの木崎くんが電飾を施した完璧なステージが鎮座する。

設置されたステージで、まずは1つ目の催し物が始まった。

「宇宙人への一発芸」である。宇宙に向かって叫ぶ男、
サラリーマンの忘年会のような宴会芸のようなどうでもいい歌、
ジャグリング、3日前に男に振られた女性が歌う失恋の歌など、
飛び込みで様々な芸が宇宙に向けて披露された。
佐伯慎亮が半裸で法螺貝を高らかに吹き、
妙見山の副住職である植田観肇が
ステージに上がってお経を奉納しようとした時だった。

夕暮れの空に謎の発光体が現れた。飛行機かと思ったが、まるで比較せよと言わんばかりに近くに飛行機が飛んでいた。飛行機とそれとはまったく異質なものだった。

 

夕暮れの空をバックにオニちゃんこと、佐伯真有美の歌が始まった。
美しく力強い声は宇宙へ向けての美しい祈りのようで、
夕日に溶けていった。
本当に気持ちよい時間だった。
夜のとばりが降りようとするときにまた謎の発光体が現れた。
今度のものは同じ場所にいながら少し移動しては、
灯き、消え、また灯いた。
まるで人々の心に呼応するようだった。

神田旭莉とめりんぬからなるセクシー茶番ユニット、蝶惑星の登場だ。


蝶惑星は天空に向かって股をあけては閉めた。
その馬鹿らしさに山頂は笑いに包まれた。
まるで天の岩戸に隠れた天照大神をおびき出そうと、
ストリップを披露して神々の笑いをとったアメノウズメのようだった。


西の空のには花火が見えた。
今日は猪名川の花火大会とのことだ。
ここから見る花火は随分、下の方にあった。見下ろす花火は初めてだ。


グレッグこと、グレゴリー・サリバンの演奏が始まった。
ライアーという弦楽器はとても優しく、全体を包み込むようだった。
宇宙と人間の感性のチューニングを合わせていった。
人の心を開いて、
宇宙へとぱっかりと心の中を公開させるかのような不思議な音だ。
グレッグが3曲目の音楽の演奏をしている時、
柴田剛が天空に「何かいる」と指差した。
天空を光がまでぎゅーっと横切った。
人工衛星のような動きだったが、
一直線ではなくゆらゆらとうごめいていた。
そこにいた100人ぐらいの人全員が目撃をした。
 


その後はわれわれエンバーンであった。
もうすでに謎の発光体が来てくれていたので気が楽だった。
大量得点をもらったピッチャーのようにのびのびと演奏をした。




ベース:MONCHI

ノイズ:FUL


ギター:JUN


ギター:HIJIRI


ドラム: NDEGE

タブラマシーン:IZ



ボーカル&指揮:DENTZ

ボーカル&紙芝居: TAM





念: HANN



飛び入りマラカス:HARUKI





飛び入りボーカル:ONI





この日に向けて作った『宇宙へヤッホー』という曲で、
みんなが「ヤッホー!ユーフォー!」と歌った。





おバカで奇妙で宇宙に向けられたわれわれの演奏は会場を1つにした。

踊り、手を取り、円になった。世界は完璧だった。


その後、グレッグの静かなワークショップが終わって
大野山大宇宙祭は終わった。



ぼくたちは演奏に集中して何も見えなかったが、
エンバーンのライブ中に何か不思議な光が撮影されていた。


ぼくが見たものをすべてUFOだと仮定すると、

5種類の光を10回ほど見たことになる。
夏の夜の素晴らしい天体ショーだった。
ぼくたちが見たものはどうであれ、
大人も子どももみんなが一緒になって空に向かって叫び、
感動し、待っている間も星や空の話をしていた。
それが本当に素敵なことだった。奇跡の夜だった。




ここに地元の映像作家、

上福田守彦さんの制作した大宇宙祭のダイジェストがあるので
ぜひご覧いただきたい。






後日、とあるテレビ局が別の取材で猪名川町を訪れ、

地元の子どもに「夏休みの楽しかった思い出は?」と尋ねると
「みんなでUFOを呼んだこと」と答えが返ってきた。
それに驚いたテレビ局から、番組で紹介させてほしいと依頼があった。
オンエアを見ると子どもたちとその母親が
「『UFO ヤッホー ってみんなで言いながらみんなでUFO呼んでんな」
と楽しそうに大野山頂の出来事を語っていた。
地元の子どもたちにも一番の夏の思い出を作れて最高である。

柴田剛監督がこの夜のことを1つの映像作品に仕上げ
11月に完成する予定である。

きっと謎の発光体も写っているはずだ。



のせでんアートラインのみなさん、ありがとう。
いろいろやってくれたプロデューサーの木崎くん、特にありがとう。


UFOを呼ぶバンド
エンバーンのオファーお待ちしております。


(写真 槻木ヒロシ ai7n   楯まさみ 柴田剛 兼元rascal)

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