2015年11月23日月曜日

北極星祭り 〜UFO召還〜




北極星祭り最後の儀式、UFOの召喚。山頂に人々が集まる。


妙見山の紋章、矢筈(やはず)の形に陣形を組む。




はじめにUFOたくさん遭遇したことのある方の話から始まった。

「ピラミッドを逆にしてください。その底辺の点にいるのが我々です。
 我々は三次元の不自由な身体を持って生きています。
 その遥か上には広大な宇宙と高次元な文化が広がっています。
 そこにあるものがUFOです。
 UFOという空飛ぶ物体がやってくるというのではないのです。
 そんな高次元にあるものをUFOと呼ぶのは失礼です。円盤様と呼びましょう。
 みなさんがリラックスして、『あれをしなくては、これしなくては』という
 現世の束縛から解放されたときに、肉体の束縛から解放されたときに、
 我々は高次元へと行くことができ、
  円盤様とあうことができるでしょう。
 それに、円盤様は、ユーモアが好きです。
 みなさんのような人々はきっとお好きでしょう。
 リラックスして自身を解放して円盤様に呼びかけてください」


セルフ祭、石井大輔が夢で受けた啓示を朗読する。
彼は夢でUFOと遭遇する夢を見た。
しかも、ここ妙見山で。
以下、彼の詩を掲載する。




『私とU.F.O』 石井大輔

空から私は自動車に乗って落下する。
私は死を覚悟しなければならかった。
光るモノが現れた、光るモノは自動車に乗り込んだ。
光るモノは自動車をひどく怯えた、怯えるので私は助けようと思った。
どんどんと落ちていく、下に大きな樹が見える、
私は重心のバランスを変え樹上へと着地した。
光るモノは穏やかだった。
雨の日の夜、
私は家を出て自動車に乗り込み山を越えて大きな湖へと向かう、
動物に出会わない、暗くて雨の音だけ聴こえる。
私は眠りにつく。目覚めるとすこし移動をした、
大きな湖ではなくて大きな池のあるところ、蓮がすこし。
池のよこに立派な建物が在る、
池の道でタロとジロに出会い建物に私は入る。
閑散としている、西堀栄三郎に出会う、
カリマーの背負子が展示されていた、
建物の出入り口にもタロとジロがいた。
雨の降る前の夜に黄泉かえりの夢をみた、
幾人かが死に、幾人かがかえってくる。
私は知らなかったシロ子のことを。
シロ子は助けられていた八つの子犬と共に。
広く見渡せる場所で空を見上げる、光の糸を浴びている、
下に二つの相関なるもの、四つの子と四つの子が産まれる。

八つの子を祀れ、八つの子を祀れ、
八つの子を祀れ、八つの子を祀れ。


テレポーテーション


「八つの子を祀れ」という不思議な祈りの言葉を全員で復唱する。




静かに音楽の演奏が始まる。





静かに



神も仏も一緒に。

次第に音は大きくなる。










音楽はエスカレートする。



しかしUFOは来ない。


みなが天に向かって叫び始めた。




能勢電鉄の社長も叫んだ。

しかしUFOは来ない。


円盤様来てくださいと、祈るように演奏する。

映画『未知との遭遇』で宇宙との交信音として登場する
五音階にぼくたちが歌詞をつけた。
それはUFOヘのラブソング。

ゆーえふおー 
きみのこと
まぶしくて
あたたかい

ゆーえふおー
きみのこと
会いたいよ
大好きだ










UFOは来ない。
叫びは祈りに変わった。
しかしUFOは来ない。


結局、UFOは来なかった。



UFOを見れなかった人には焼きそばUFOをプレゼントした。



ほとんどの人が焼きそばUFOを取りにきた。
みんな見れなかったということか。


北極星祭りは終わった。

北摂で生まれ育った自分は
地元の霊山である妙見山に吸い寄せられるようにことは始まった。
のせでんアートラインに巻き込まれたのである。
仕事も忙しい、子どもとも遊べてない、
セルフ祭は新世界でやったばっかり、
途中投げ出そうかと何度か思ったが、
なんだか不思議な使命感のようなものを感じていた。

妙見山には古来より北極星信仰があった。
時代の変わり目にそれは現れた。
平将門、源頼朝、坂本龍馬も北極星を信仰していた。
その北極星信仰にぼくは強く惹かれた。
今もまさに時代の変わり目かもしれない、
そう思ったぼくはこの北極星信仰をポップに復活させたいと思った。
北極星を信仰するポップな宗教団体みたいなものを作りたかったのである。
アートイベントという傘の中で。
そんなこんなでポップな巡礼集団は電車に乗り、
山を登り、神社と寺から祝福を受けた。
神も仏も我々を迎えてくれた。変人と宇宙人と僧侶と神主と、
パーフェクトにうる星やつらだった。
あとは、UFOが迎えてくれるかどうか。
「UFOを見たことがないから死ぬまでに見たい」という気持ちから
始まったUFO召喚の儀式、
今までセルフ祭で焼きそばUFOを呼んだり、
SPA王を呼んだりと茶番でしかなかった。
今回は、きちんとやった。
UFOと遭遇した仲間の夢を再現し、
宇宙から電波を受け取っている仲間の言葉を歌にした。
みんなが夜空に祈り、叫ぶ。
はっきりとUFOは現れなかったけれども、
見たという人間と見れなかった人間とに別れた。
奇しくも「お前は神を見たのか?見なかったのか?
見えるも見えないもお前次第である。神はお前の中にあるのだ」
と自身の心に問いかける崇高なアートプロジェクトになった。
その問いかけはまったく狙ってなかったが。



参加者を巻き込み、主人公にするセルフ祭の手法を
そのまま能勢に持って行った。
そこに参加した妙見山の副住職、
植田観肇さんの言葉を紹介したい。

最後の祈りの時間は、吉川八幡神社の宮司である久次米さんはじめ、
多くの方と祈りのコラボレーションを行い、
大変貴重な経験を致しました。
この中にかつてあったであろう原初の「祭り」を感じました。
それぞれが、さまざまな形で祈りを捧げる。
それはまさにカオスの祈りです。
きっとそれが時代と共に洗練され、
神道や仏教など宗教というところまで昇華されてきたのかもしれません。
今回の試みで、
自分たちの祈りがいかに洗練されているかということを感じるとともに、
カオスの祈りの中に洗練する過程で
そぎ落としてきた何かを見たように思います。
自分の固定観念が崩れていく本当に楽しい時間を過ごすことができました。
素晴らしい祈りができたこと、みなさまに感謝致します。
地元の人々が主役になって歌い、祈り、踊り、叫んだ。
能勢電鉄の社長が夜空に叫んでいた。
次は社員みんなで「スリラー」を踊ると公言した。
社長命令である。それぞれが主人公になって、気づき、また生活に戻る。
みんながそうなっていくのを見るのが、
セルフ祭をやっている大きな醍醐味の1つ。
セルフ祭のダイナミズムは新世界だけでなく
大阪の北でもうまく動いたのである。

最後にUFOだ。はっきりとは見えなかった。
しかし、しかしである。
後できくと、UFOを見た人間が4人ほどいたのである。
ぼくもうっすらとシルエットのようなものが見えた。
その形は縦型で4つの目玉があるような形だった。
その形をUFOを見た人間に伝えると、
彼もまったく同じ形を見ていたのだった!
UFOは来ていた。そうに違いない。
何よりUFOにずっと見られている気がしていた。
いつ現れようかと機会をうかがっていたに違いない。
もしくは、ぼくたちがその次元まで行けなかったか。
しかし、これでUFO召喚のレベルもどんどんあがっていく。
いつかはっきりと見えるだろう。
来ていただいたみなさん、アホにお付き合いいただき、ありがとう。
妙見さん、円盤さん、ありがとう。

2月5日(金)ロフトプラスワンウエストにてまたUFOを呼びます。



追伸

以下にて北極星祭りの動画もご覧になれます。


(写真 槻ノ木ヒロシ ai7n  谷崎テトラ)

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