豊田市で行われる「橋の下音楽祭」へ友だち4人で車で向かう。
途中立ち寄った名神高速の伊吹パーキングでヒッチハイクの青年を拾った。
彼のトークがおもしろかったのでそのまま再現したいとおもう。
「どうもありがとうございます」
「どこから来たん?」
「鹿児島の南端までいってももどってきたとこなんすよね」
「どっから?」
「東京からっす」
「旅行?」
「たまたまっす。散歩したら高速のインターあって、
下から入れるんだっておもってあがってったら、
セブンイレブンあって、
みんなこんなとこでノート買ってヒッチハイクするんだろな、
『おれもやってみっか』って思ってノート買って、
『静岡方面』って書いたら10分ぐらいでヒッチしてくれたんです。
そして、すぐ静岡までいっちゃって着いちゃって。
次『大阪』って書いたら、これもすぐいけたんですよ。
もうここまできたらいっちゃえって思って、鹿児島までいったんです。
そのまま沖縄行こうと思って漁船ヒッチできるかなと思って、
めちゃくちゃ話しかけたんですけど全部断られて結局戻ってきたんですよ。
こんどは荷物もって北を回ろうと思って、
家に荷物とりにいくとこなんですよね」
「家いつ出たん?」
「5月10日です」
「1週間しか経ってへんやん!それで鹿児島まで回ってきたん?」
「ええ」
「早。ほとんど車乗ってるやん!」
「そんなことないっす」
「楽しいのそれ?」
「めちゃくちゃ楽しいっす。温泉入ったり」
「どこがいちばん楽しかったん?」
「京都っすかね。散歩してるときとかいいなあって」
「ふつうやん!」(爆笑)
「奈良で鹿と戯れてるのも楽しかったっすね」(爆笑)
「大阪は?」
「グリコ見ると割と満足しちゃって」
「荷物そのクラッチバッグだけ?」
「ええ。ほんと散歩行くついでにきたんで荷物ないんっす」
「普通バックパックとか荷物たくさんあるやん」
「だから一度家に荷物とりにいこうと思って」
「中、何入ってるの?」
「ビジネスやってるんで、それで使うメモ帳と、スケジュールと、あと充電器っすね」
「いくつ?」
「19歳っす」
「えー!!!!!!!!仕事してるからもうちょいいってると思った」
「大学とかいってるの?」
「ええ、大学行きながら起業したんです」
「どんな仕事してるの?」
「スーツの代理店です」
「どこで?」
「新宿とか池袋とか渋谷とか」
「どこ住んでるの?」
「世田谷っす」
「実家?」
「いや、1人っす。親と縁切ったんで」
(とても大変な家庭環境を詳しく述べてくれたがプライバシーにかかわるので割愛)
「じゃあ、学費も自分で?」
「そうっす、中学んときから働いてます」
「大変やなあ」
「二十歳未満だと1人で家借りるのも大変で、
ケータイも契約できないんす。だから友だちの名義借りて」
チャラいと思っていた男が実は大変しっかりした男だったので
一同、このコはバカにできないと沈黙してしまう。話を変えようと質問をする。
「なんかやばい運転手とかいた?」
「ええ。きのうの夜の11時から夜中の3時まで福岡から乗った車なんですけど、
29歳の引きこもりなんですけど、元カノに会いに行くって言ってるんですよね、で、『子を授けに行く』っていうんですよ。彼氏いるのに。『レイプしに行く』『妊娠させた もん勝ちでしょ』っ言って。で、おれ精神病なんだよね、とか言うんですよ。やっぱ引 きこもりだから、道とかわからないんですよ。何回か高速を勝手に出ちゃっって、出る とまたお金いるじゃないですか。そしたら「お金無いのにな!!!」って大声で叫ぶん ですよ。ぼく4時間となりにいてガクブルですよ」
「そのときなにかかってたの?」
「ウルフルズの『ええねん』です」(大爆笑)
「レイプして『ええねん』やね」
「ほんとそうっすよ、めっちゃテンションあがってましたもん」
元気ソングは犯罪も元気づけるという恐るべし逆説!
「どんな曲がかかっていたか」と質問した自分を我ながら褒めてあげたい。
橋の下音楽祭に何度も誘ったが
「11時に六本木で打ち合せあるんっす」と言って固辞し、
ゆうちゃんと東郷パーキングエリアに下ろした。
ゆうちゃんは間髪いれずヒッチハイクをし始めた。
ゆうちゃんは6月に池袋でカフェバーをオープンするそうだ。
ゆうちゃん、ファイト!
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