ものすごい勢いで汁まで飲み干した。
写真が波打っているのは列車の中から撮っているからである。
上本町から近鉄大阪線で伊勢へ。
旅ではなくて、楽しい出張なのである。 (上本町)
榊原温泉付近の怪しい風景。
後日調べると、ここは『ルーブル彫刻美術館』というらしい。
パラダイス系か、まるで、都築響一さんが紹介しそうな怪しい美術館である。
いつか行こう。
奈良と三重の県境の山地を越えると広がるのどかな田園風景。
あぜ道を走る軽自動車がたまらない。
これが日本の車の原風景である。
日本の車のCMも海外ばかりで走らないでこういうところを走ればいいのに。
それにしても、この『近鉄大阪線』の車窓の風景はすばらしい。
桜井から名張までの山地の風景は、特に。
奈良と三重の県境あたり、ここは古きよき日本がある。
なんだろ、自然と人間の暮らしが仲良くやっている感。
人間が長い間ここに住み、自然に手を入れて、自然を手なずけることで
ようやく自然も人間に心を開くようになった風景。
こういった「開いている自然」は、
室生を中心としたこのあたりと、琵琶湖の湖東でしかみたことがないのである。
他にもどこかにあるかもしれないが、正直あまり見た事がない。
写真家の土門拳は『古寺巡礼』という写真集でこの付近の寺をよく撮っている。
土門拳が旅の果てに見つけた日本だったのか、室生寺には特にお気に入りだったそうだ。
東京から大阪に出張の際は、
名古屋で新幹線を近鉄に乗り換えるというのはたまにはいかが?。
西からの出張もしかり。
所要時間は2時間と新幹線より1時間ほどかかるけど
赤福でも食べながら近鉄大阪線の車窓の風景を楽しむというのは
ただの出張を旅に変えるちょっとした贅沢かもしれません。