2013年11月10日日曜日

近鉄大阪線

青年が駅のベンチでカップ麺を食べている。
ものすごい勢いで汁まで飲み干した。
 
写真が波打っているのは列車の中から撮っているからである。
上本町から近鉄大阪線で伊勢へ。
旅ではなくて、楽しい出張なのである。 (上本町)


榊原温泉付近の怪しい風景。
後日調べると、ここは『ルーブル彫刻美術館』というらしい。
パラダイス系か、まるで、都築響一さんが紹介しそうな怪しい美術館である。
いつか行こう。


奈良と三重の県境の山地を越えると広がるのどかな田園風景。
あぜ道を走る軽自動車がたまらない。
これが日本の車の原風景である。
日本の車のCMも海外ばかりで走らないでこういうところを走ればいいのに。

それにしても、この『近鉄大阪線』の車窓の風景はすばらしい。
桜井から名張までの山地の風景は、特に。
奈良と三重の県境あたり、ここは古きよき日本がある。
なんだろ、自然と人間の暮らしが仲良くやっている感。
人間が長い間ここに住み、自然に手を入れて、自然を手なずけることで
ようやく自然も人間に心を開くようになった風景。
こういった「開いている自然」は、
室生を中心としたこのあたりと、琵琶湖の湖東でしかみたことがないのである。
他にもどこかにあるかもしれないが、正直あまり見た事がない。
写真家の土門拳は『古寺巡礼』という写真集でこの付近の寺をよく撮っている。
土門拳が旅の果てに見つけた日本だったのか、室生寺には特にお気に入りだったそうだ。

東京から大阪に出張の際は、
名古屋で新幹線を近鉄に乗り換えるというのはたまにはいかが?。
西からの出張もしかり。
所要時間は2時間と新幹線より1時間ほどかかるけど
赤福でも食べながら近鉄大阪線の車窓の風景を楽しむというのは
ただの出張を旅に変えるちょっとした贅沢かもしれません。