2012年6月5日火曜日

未来のライブ


今日は大阪に来たTV.Bros編集部の友だちと遊ぶ。
「チッツ」っていうバンドのライブがあって、

その後、取材があるから行かない?と誘われついていくと、
会場にはスタッフ以外誰もいない。観客は一人もいない。
どうやら今日はustreamのライブなのだ。
TV Bros.が持っているニコニコ動画のチャンネルで放映するとのこと。
ライブは始まる。
観客は十人ほどなのに、まるで満員の客がいるかのようなハイテンションである。
それをカメラでおさめ、音を拾って、中継して全世界に放映している。
雷光と雷鳴のずれで雷雲の位置を測るように、
カメラのフラッシュでずれを測る。
現場でフラッシュをたくとおよそ3秒後にパソコンの画面が光る。
つまり、リアルから3秒後の映像を視聴者は見ているわけである。


ライブはとってもよかった。

ヴォーカル江頭2:50みたいなあふれるエネルギーをコントロールできなくて奇妙な仕草をする

ギンギンのボーカルの後ろで、イケメンのギタリストが冷静にそして熱くギターを奏で、
むちむちのベーシストが大きなおっぱいを揺らす。

音楽的には、ストレートな激情をぶつけたロックといおうか。
ブルーハーツみたいな、イースンタンユースのような、火傷するよなど熱いロックです。
忘れてた思春期の情熱みたいなものを思い出させてくれた。
ブルーハーツが好きな人は絶対好きになると思われる。
視聴者は最終1100人を突破!
1100人というと、東京ではリキッド・ルーム、大阪ではなんばHatchがいっぱいになる
レベルだものね、成功だ。
チッツ1st album 「おはよう」7月4日発売 (独立記念日だ!)
同じく7月4日発売のTV Bros でインタビューものってるよ。


 
ライブは終わってインタビューに突入。

質問の内容は視聴者の人から受け付けようと、

ニコ動から生で流れてくるコメントを拾って質問するようにと取り決める。

しかし、出演者はパソコン画面を見る事ができないし、
スタッフはみんなそれぞれが自分の仕事に手一杯で誰も質問を拾えない。
話はなんだか楽屋で話しているような内輪ネタになっていく。
視聴者もその空気を察知し「内輪ネタやめろ」「もいっかいライブやれ」などの
コメントが流れてくる。
これは、まずい、まずいぞ。ぼくは部外者なので隅っこでじっと見ていようと決め込んでいたのだが、
職業病か、元来の性格か、この微妙な空気にいてもたってもいられなくなり
「ぼく、コメント拾います」と質問を筆記する係を買って出る。
流れてきた質問をメモし、出演者に渡す。
しかしそれをしたところで空気は変わらない。
コメントが流れてきた時間と質問する時間とにタイムラグがあると、
どうも盛り上がらないのである。
コメントが流れてきたらなるべく早く質問しなければならない。
視聴者に「おれの質問がとりあげられるかも」という期待感を
すぐに消化してあげなければいけないのだ。
メモを渡して誰かを経由している場合ではない。ぼくが声をあげて質問することにした。
「今回のアルバムへの思い入れは?」
「レコーディングもめた?」
「尊敬するアーティストは?」
「好きなAV女優は?」など、その場の空気をよみながらなるべく迅速に質問するのである。
それはなかなか功を奏し、空気は好転、視聴者数とコメント数もぐいと伸び、
インタビューは無事終わった。
そして、視聴者のリクエストに応えてアンコールへ。
と書くとぼくのおかげでインタビューが盛り上がった手柄話のようであるが、
そんなつもりはございませぬ。質問を投げ込むのは少々空気の読める人なら誰でもよく・・・
ニコ動の同時進行感、そして、その感覚の奇妙さを感じほしく書いたまでです。
ニコ動、なかなかおもしろメディアなのだ

最後はみんなで記念撮影。
チッツのメンバー、ブロス編集部キノシタ&ツッチー、売れっ子カメラマン津田くんとその弟、
こんがりおんがくのみんな。こんがりおんがくすごいよな。
neco眠るの森くん、オシリペンペンズの石井モタコ、DODDODOっていう
大阪インディーズ界のすんごいメンバーが大集合、
みんな年下だけど、みんなおれよりすごいじゃないか、おれって何。
でも、こんなとこまじれてうれしいな。








そのあと、みんなで打ち上げ。

浜松のボアダムスのライブのギターひいてた(キャー、かっこいい!)
water faiのクレちゃんも乱入。
先日のセルフ祭のあふりらんぽPikaちゃんとか、
今日とか、なんかも大阪に戻ってきて間もないというのに、
大阪のインディーシーンに猛接近中、なんかに導かれてるよう。
みなさーん、大阪おもろいバンドおりまっせー!
Amazonでポチっと買ったり、CMで使ったりとか、どうですか?
東京で絶賛活躍中のCM音楽プロデューサーかつ盟友トミーが
momus(世界各地を旅しながら音楽を作っているスコットランド人。
昔は、東京に住んでいてカヒミ・カリィに曲を提供してたりして、
渋谷系とされていた。現在は通天閣の近くに住んでいる)と最近仕事をしたときの話を
きいたのだけども「東京より大阪の方がクリエイティブやでー」といいながら
黙々と音楽つくってるらしい。
生まれも育ちも大阪で、最近まで東京住んでたぼくの感じでは
東京も大阪もクリエーティブ。でも、その性質がちょっと違う。
東京にはちゃんとマーケットが存在し、ビジネスとして成立しうるからか、
東京は見る人のことを意識した洗練されたクリエーティブがあり、
大阪はビジネスとして成立していないぶん、金なんかええんや、
自分がおもろかったらええんやといった、身勝手なクリエーティブがある。
東京の方が平均点は高いのだけども、大阪の方が「なんじゃこりゃあああ!?」みたいな
衝撃的なものが出てくる。外れも多いが、あたるとすごい。
最高点は大阪が高く、最低点は大阪の方が低い。
東京には金があり、大阪には金がない。
DODDODOなんか「家賃滞納してもうて、最近昼働いて、夜は居酒屋で働いてんねーん」
森くんも「ぼく帰りますー」と言いながらママチャリで谷六から三国まで
淀川大橋越える十キロの道を帰っていった。でも、すんごい音楽つくってる。
そんなクリエーティビティーあふれる人々にエネルギーをもらいながら
クリエーティブ局なる部署でクリエーティブでない仕事をしながらも
なんだかお金に不自由しないぼくは「あかん、がんばらねば」と思ったのであった。




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