2013年4月4日木曜日

あの世に近い商店街

どこかの田舎の町のようだけれども、ここは大阪市内。
地下鉄玉出駅から東西に走る玉出商店街と北に交差するのがここ玉二商店街。
9割が閉まっていて、開いているお店は乾物屋と線香屋。
この二つの店のおばあちゃんが話している。

「そろそろ私ら死ぬんやろね」
「そう 順番に欠けていくから」

商店街にはうっすらと線香のにおいと、
湿気のような、かびのような冷たいにおいが漂う。
商店街も人も死につつある。




おばあちゃんが歩いていく。
まるであの世に向かって行くようであった。

あの世に向かう商店街にはどんな店が並ぶのだろう。
まずは本屋だろうか。

『天国行き間違いなし 閻魔大王の面接対策』
『地球の歩き方 天国』
『地球の歩き方 地獄』

とかとか。
天国で着る服を売る店もあるだろう。
羽衣とか売ってるんだろうな。美容室もあるだろうし。

あの世で腹が減る気はしないから 食料品はなさそうだな