2019年2月27日水曜日

梅とおじさん

満開の梅と、ちょっとうきうきして早歩きのおじさん

(八木 南あわじ)

2019年2月24日日曜日

激しいウィンドウ ショッピング

閉店中のリサイクルショップを必死で覗く通りがかりのおじさん。

(阿倍野 大阪)

2019年2月20日水曜日

浜松のエアポケット

難しい顔をしている老人がいた。


一円玉を見つめ

選り分けている。選別の基準は何かわからない。


隣では白人男性が佇んている。

グミばかり買っていた。
浜松駅の目の前、ここは隙に満ちていた。

ピアノレッスン

先生がピアノレッスンをしている。

生徒は気の弱そうなサラリーマンだ。
先生は容赦無く指導する。



しかし、ここは浜松駅の構内である。

人が多く行き交う新幹線の駅である。

先生は人目を気にせずレッスンを続ける。
生徒は怯えながらも鍵盤を弾く。ちなみに課題曲はドビュッシーの『月の光』であった。

(浜松駅)

仙台から来た男

駅の構内で電話をする男の股の下には「萩の月」。


仙台銘菓の「萩の月」。

(東京駅)


2019年2月19日火曜日

上田の核心


別別所温泉から上田駅へ。駅前には真田幸村が鎮座する。
真田幸村終焉の地である大阪の天王寺から生誕の地である上田にきたのだと、
この像を見て思う。天王寺の安居神社にある像はもっと老いて疲れていた。





市街地を散策するとエゴが半端ない看板を発見する。
自己主張が少ない土地だと思っていたが意外である。
オレオレ詐欺などしていないかチェックした方がいいかもしれない。


夜は上田商工会議所で講演をする。
講演を終えて司会者が「話が伝わった人」と質問するとみんなが大きく手を挙げた。
ある参加者の方がが「良いセミナーとは、賢くなった気分になれるものではなく、自分はこれをやろうと具体的に動き出せるものだと思います。」と感想をくれた。
上田の人々にきっと強く届いたのだとおもう。


講演を済ませたあとはゲストハウス『犀の角』へチェックイン。
1階がカフェと演劇のステージという斬新なつくり。


翌日は、地元の原田さんのガイドで上田を回る。
まずは岡崎酒造という地元の酒蔵へ。朝から試飲をさせてもらう。
酒が弱いものだから朦朧としてきた。
会長の岡崎時子さんは大阪の阿倍野出身。
大阪が恋しくていまでも冷凍のきつねうどんを買い込んでいるとのこと。
そしてなにより長女が漫画家のおかざき真里さんってことでびっくり。
そしてなにより会社の同期の伯母さんってことでびっくり。
亀齢はこれまたたまらなくよいお酒。
とはいえたくさん作れないからなかなか出回らないのだとか。


ほろ酔いのまま上田映劇へ。
看板が雷門ホールとなっているのは『青天の霹靂』という映画の撮影で作られたセットを
そのまま残しているのだとか。

客足が低迷して2011年に休館した。そのまま取り壊すという話もあったが「娯楽の記憶を消したくない」と廃業間際だったホールを復活させた原さん。



劇場には娯楽の記憶が確かに刻み込まれている。

たくさんのヤニと感動を吸ってきただろう天井

バックヤードには住み込みで働いていた映画技師の部屋がそのまま残されている。


朝から活発に動いたところで上田の名店へ。

入るなり名店の佇まい。失敗する気がしないのだ。

そして出てきたあんかけ焼きそば。
パリッと焼いた細めの平麺にあんかけがかかっていている。
からし酢を好みで追加して食べる。
焼きそばと冷麺を親に持ち、祖父は天津飯といったところだろうか。
こういう肩肘はらない地方の名品が大好きで
会社の近くに支店を出してくれないだろうかと祈るばかりである。


上田市郊外へ移動し、バリューブックスの倉庫を見学。
毎日1万冊の本が全国から来て、1万冊の本を全国に出荷するという。
滞りなくそれを進めるその美しいシステムと規模感にわくわく。
IKEAに初めてきたときの興奮と近い。

買い取れずに廃棄処分になってしまった本たちが収集車に吸い込まれていく。
まとめて静岡の古紙再生工場へ送られる。
本たちの一生がVALUEBOOKSの記事になっていた。

それぞれの本は工場でドロドロに溶かされて、大きな1つの紙の塊になる。
そしてまた紙になる。
それは人間が死ぬと魂が抜けて宇宙へと上り、
無数の魂が集まった1つの大きなエネルギー体に戻り、
またそこから小さな1つの魂が飛び出して、
新たに生まれてくる人間の中に入るというチベットの死者の書の教えを思い出す。

きちんと本を買取って、買い取れない本にまで丁寧に気を配る。
VALUE BOOKSは本に真摯に向かい合っていた。



倉庫を案内してくれた飯田くんと1枚。
このあとは温泉に入って上田巡りは終了だ。

上田の名所を駆け足で回り帰路につく。
時間がなかなかなく隙はあまり撮れなかったのでまたの機会としたい。
約1日の短い時間ではあったがガイドの原田さんがいたからこそ
上田の名所やキーマンに会えた。核心に迫ることができた。

上田はすばらしく美しくたくましい。
こんな場所が日本のあちこちにあるのだから日本は豊かだと思うわけである。



2019年2月17日日曜日

別所温泉へ

ローカル路線でとことこと。
やってきたのは長野県上田市にある別所線。
まるでバスのように前方の運転手が切符を回収する。



別所温泉に到着した。


切符のもぎりはアニメキャラ。しかし年齢は高い。


大阪から5時間を超える旅の疲れをいい感じのカフェでジェラートを食べて癒す。
アイスを食いたいと思うほどに別所は意外に暖かい。

温泉旅館上松やにチェックイン。
「一人旅館」なる概念を提唱していたのに惹かれてここに泊まることにした。
普通のシングルの部屋もあったがせっかくなので真田戦国部屋なる部屋をとってみた。


まるで幸村がここで寝ていたかのような、
質素でシンプルながら居心地のいい部屋である。
見事に一人部屋である。シングルベッドである。
旅館で一人用の部屋にお目にかかったことはない。


仲居が夕膳が部屋に運んできてそろそろ食べようかするときに
ドラの音が鳴り鎧甲冑の男が現れた。


仮面をとって一杯ついでくれる。武者はなんと旅館を経営する会長だった。

部屋の片隅にあった兜を被って記念写真を撮る。

一人で夕食を食べながら、晩酌をやりながら仕事のことをあれこれ考える。
真田幸村も晩酌をやりながら合戦の戦略を考えたに違いない、
とぼくが幸村に思いを馳せた時点でこの宿のコンセプトは成功しているように思える。

別所温泉は源泉掛け流しで、
かつ温度調整をせぬままのお湯に入れるので泉質がすばらしい。
今まで入った温泉の中でいちばんの泉質だった。
またのんびりと別所に行きたいと思う。

2019年2月10日日曜日

そり寝

スキー場の休憩場で寝かされていた女の子。ぼくにも同じぐらいの娘がいる。
彼女が寝たらこうしただろう。スキー場では確かにいい寝かしつけ方だ。


(六呂師高原 福井)

2019年2月8日金曜日

背負う男


車に乗っていると前方に何か変なものを背負った男がいる。

だんだんと近づいてくる。

よく見ると全方位カメラのようだ。これはもしかしてGoogle Map のストリートビューの撮影か何かだろうか。でも、あれは車から撮っているはずである。一体なんなのだろうか。

(上汐 大阪)

2019年2月6日水曜日

2店舗の分け方

コーヒーとランチの店がM(ムーで)、海苔の店が森だと思う。

(志筑 淡路)

2019年2月5日火曜日

淡路島のUFO基地

淡路島に住んでいる友人に「UFO基地がある」と言われてやってきた。
海辺の漁村の細い道を抜けると広場があった。


中に入ると清潔感と静寂に包まれた空間が広がっている。

木造の UFOだ。

中には実際入れてテーブルとイスがある。
「リンゴ イリマスカ?」と宇宙人のような友人、 ONIちゃんがリンゴを差し出す。

テーブルの美しい文様。




縄文土器型の太鼓。高さは1メートルほどあり巨大である。

作品の中にあった作者のプロフィール。
尾崎幸弘さんは、近年、天へ召されたそうだ。
尾崎さんのギャラリーを知人の方がそのまま管理しているとのこと。
尾崎さんが存命中はナフシャというカフェをされていた。

敷地内にあるカプセルがある。

中はトイレだ。ぼくは金色の便器に顔を埋めてみた。
ここ数年使われてないので全く臭わない。


隣にある尾崎さんのアトリエ。もう天井が壊れて雨ざらしだ。

まるでラピュタのようである。



そして、すぐ横には海がある。
エチオピアでしか見たことのないアロエの花が咲いていた。

(佐野 淡路)