2018年8月31日金曜日

新世界の王宮

ドンキホーテとマルハンという娯楽の王宮の前で眠るおっさん。
街は薄汚れているのにここだけいつも煌々と輝いている。
そう、ここは新世界の王宮なのである

(恵比須東)




2018年8月30日木曜日

隙ある風景ZINE in 六本木ヒルズ




六本木ヒルズのアート&デザインストアでのZINE MARKET 。

大阪のHere is ZINE OSAKAで『 隙ある風景ZINE』がなかなか好評だったので
なんとここでも売ってもらえることに。

こんなところに並ぶとは感慨深いものがある。
ほとんど売れていなかったけど。

2018年8月29日水曜日

東京日下祭 第2部


第2部が幕を開けた。
リズミカルな音楽に合わせてダンスをする映像が始まった。



映像が終わるとダンサーたちが登場した。
栗林嶺が率いる。電通ダンス部による賑やかなパフォーマンスである。
若かった。爽やかだった。ミントグリーンの風が吹いていた。
ぼくが20代だったらダンス部青春を過ごしたかった。

ダンスからガラリと変わってマニアックに。
尾上鳥晃&村田チュン平の「5分でわかる『どう?』の歴史と実践」。

スライドのようなバカ男子高生のような遊びを7年間している。
2人とも超売れっ子のクリエイターだ。
その源泉はこういうバカなことを真面目にやる情熱にあるのかもしれない。


歓崎浩司はCM制作上のあるあるを『2億4千万の瞳』にあわせて演じる。
彼は数年間、同じ部にいて、スベり芸をやりがちなので、
今回もスベるんじゃないかと心配していた。しかし、見事な完成度だった。
たくさんのセリフを軽妙なテンポで繰り出す。
これは本番ぶっつけでは無理だ。きっとたくさん練習してくれたに違いない。



再登場、日本宴会芸学会。
バブル期に流行したといわれる「玉ねぎ占い」を披露。
「好き」「嫌い」と言いながら玉ねぎをむいていく。皮だけでなく中身もむいていく。
玉ねぎのにおいがステージに漂いおのずと涙が出てくる。
最後は大泣きしながら玉ねぎをむいていた。
あまりにきついにおいで舞台袖のぼくも泣いていた。
それにしても、よくもまあ人類はこんなにおいがするものを食べようと思ったものだ。



ここからは同期が続く。
葛石英人による「もりつき」。
彼は魚を突いてそれを食う満腹隊という団体の隊長をしている。
いつもは伊豆大島や真鶴で潜っているが今回は新橋で潜ってもらった、
ダンボールの魚が突けたようだ。



同じく同期の細野耕司による軽自動車SAMBARの改造についてのプレゼンテーション。
数年前、細野がSAMBARの改造日記を突然投稿しはじめ、
それがあまりにおもしろいものだから、出演願った。





事故をあまりに恐れるがあまりこうなった。
これが彼の改造だ。ほとんど彼のDIYでパーツはすべて特注だ。




これまた同期の田中偉一郎。

「ノーメッセージマン」の歌
口を開けざるを得ないのでなんと歌っているかわからない。
こう見えて部長であり、現代美術家としても有名である。

同期の大森康弘が率いる統合チョルーチョン。
クリエイティブ、営業、マーケ、メディア、デジタル、
それぞれが自分の所属にこだわり、硬直化し、セクショナリズムに
陥っている会社の状況を揶揄するショートコントだった。


仲間割れしていた社員たちが最後は合体する。
このコントは、セクショナリズムを打破するために最近設立され、
大森も配属となった『統合ソリューション局』の宣伝でもあった。
直前では出演予定の何名かがドタキャンし大変であった。
大盛りは人前でうんこをしたり、何かことばがよくききとれなかったり、
シュールでよくわからないコントばかりしていたが、
17年目にしてきちんとオチのあるコントを作ることができるようになったのだ。


再び日本宴会芸学会の登場だ。人間の頭で文字を書く。
筆の表情がすばらしい。


なんの文字かと思っているとぼくへの祝福だった。
大変、ありがたい。この字を持って帰ろうかと考えたが大きすぎるゆえ断念した。

赤松隆一郎。何度か仕事をしたことがある先輩だ
仕事もできて男前、しかも歌もうまい。天に何物かを与えられたか先輩である。
「グリーンDAKARAちゃん」の作詞作曲、歌と演奏までしている。
まずは、それを生演奏し、そのあとはオリジナルソングを演奏した。
気持ちいい曲だった。


関西から唯一の参戦、小路翼。
十八番の河村隆一のモノマネで参戦だ。
もう10回ぐらい見ているが何度見ても笑える。
仕事の段取りはとても悪いが芸は一流だ。


最後は並河進。
ぼくの顔をモーフィングしたような何かでポエトリーリーディングが始まった。

そのあとはダンス。
こう見えて役員だ。


そこからのポエトリーリーディング。
もうこれは、ポエトリーダンシングリーディングという新たなジャンルだ。


ジョンレノンのような直接的で愛に満ちたそれは
ぼくのこころに届いていた。

そして、ぼくの番だ。
デザイントークということなのでトークでしめなくてはいけない。



自分の人生を凝縮した10分のトークだ。
内容は以前出演した TEDx @Youth Nambaに近い。
よかったらTEDxの映像をみてほしい。

格好はまったく違うが言ってることはだいたい同じだ。




日下祭がついに終わった。

みんないい表情をしている。


最後に出演者で記念撮影。
電通の多才な人々に祝ってもらってぼくは幸せ者だ。

たった2時間だがぼくには8時間ほどに感じた。
とても長い1日だった。準備も気が重かった。
ここにいる人は全員出演を快諾してくれた人たちだが、
出演を拒否されたことも少なからずあった。
出演者がなかなか集まらず、準備も多く、
どうしてこんなことをはじめてしまったんだと後悔したこともあった。
ただ話すだけの方がどれだけ楽だったかと。
でも、やってよかった。

大阪は夜、宴会場でやったわけで、
今回は昼、大ホールでやったわけだ。
酒や場所の雰囲気に頼れず、明るくフォーマルな場所で
そこにそぐわぬパフォーマンスを次々とする。
それは、ストリッパーが明るい照明の中で踊りを踊っているようで、
隠したいことがあるのに、すべて照らされてしまうよう。
それは2時間で終わる白昼夢。
みんなは何事もなかったかのように仕事に戻っていく。
それは、大阪の日下祭とは異質のものだった。

この祭りはよかったのか、悪かったのか。
おもしろかったのか、つまらなかったのか。
どう評価していいかわからぬまったくもって新しく珍しいものなのである。
そういうものはしばらく経って振り返ると
伝説になっているのである。

司会および裏方のみなさま、
こんなアウェイなステージでご出演していただいたみなさま。
こんな奇妙なイベントに足を運んでいただいたみなさま、
本当にありがとうございます。


(写真:進藤祐光)

東京日下祭 第1部


本日は日下祭。以前、大阪で行ったのだが、今回は東京で行う。
大阪では宴会場の中の宴会場、味園ユニバースで行った。もちろん夜だ。
Yahoo!ニュースにもなった。

しかし今回は昼の13:30から電通ホールで開催する。
酒は飲めない。馬鹿騒ぎはできない。会場は会社の味気ないホールで装飾もできない。
祭りには全くふさわしくない場所である。しかも予算はゼロ。
でもやるのである。これは大いなる実験である。



電通デザイントークの第173回目として行う。

デザイントークの主催者の金原さん(写真の女性)に
「日下くん、本も出たことだしなんかデザイントークで話してよ」と言われ
トークも講演もできるのであるが、どうせなので今までなかったことをしようと
「日下祭やりませんか?」と提案すると
「やりたい!いややるしかないでしょ!」と金原さん。
というわけで日下祭を開催したのである。
日下の出版を芸で祝う。それが祭りの趣旨である。



まずは入場する。
人みこしにのって、とてもチープな入場である。

今回は、電通の神「電通神」としての登場した。
電通の神と言えば、やはり創業者だ。

光永星郎
光永星郎初代社長をモチーフにさせていただいた。


舞台袖に設けられた椅子に着席する。



司会は佐藤義浩と柳野謙治。東京時代の上司と先輩である。
東京の時に在籍した第3クリエーティブ局の夜局会が
いつもバカでたくさんの催し物があって楽しかった。
司会と幹事をしていたのがこの2人だった。
今回、日下祭をやると決めた時に司会はこの人たちしかないとすぐにオファーをした。
義浩さんは現在、上から数えてすぐの重要なポストについている。
柳野さんも部長になった。
そんな2人にメールでお願いすると「いいよ」と快諾。


それでは演目にいってみよう。
一発目は日本宴会芸学会である。腹踊りから登場だ。


会長の御手洗太が登場する。宴会芸のなんたるかをプレゼンテーションする。
日本宴会芸学会とは昨今、コンプライアンスなどで
絶滅しつつある宴会芸を保存し、それを伝えていこうとする会である。

「日本宴会芸学会」の画像検索結果

「日本宴会芸学会」の画像検索結果#絶滅危惧宴会芸  #接吻 #1970年代
#RedListEnkaigei #kiss #1970s

#日本宴会芸学会 #enkaigei #performance #artstagram #partytime #jokes #Pantomime#lovescene #love#practicaljoke#blackandwhite
左上から「傘つむり」「松づくし」といった古典宴会芸のようなものがあれば、
「骨折」「接吻」といった近年の宴会芸も抜かりなく採取している。



宴会芸の三原則として

1)自分を安全な場所に置くべからず
2)己のアイデンティティに忠実であれ
3)神への捧げものであるべし

最後は「この世界は宴会場。生きることは宴会芸」と結ぶ。
至言である。フェリーニの「人生は祭りだ。ともに生きよう」に匹敵する。
人生という宴会をどう生きていくのか。
芸をして生きていこうではないか。



最後は傘つむりで退場となった。
さらなる宴会芸が紹介されているのでぜひチェックしていただきたい。



 次は竹本奈央が率いるバンザイ同盟。100種を超えるバンザイがあるという。


今回は祝福のバンザイを4種ほどを披露した。
竹本は大阪から東京に行ってしばらく経つがまだアホだった。


演者には褒美をとらせる。
これは前回の日下祭と変わっていない。

演目が終了後にドラを打ち鳴らす
これも前回と変わっていない。


続いて同期の村山覚。
彼は東京で働いているがそもそもが同じ関西クリエーティブ局配属だった。
年は2歳違うは同じ誕生日でもある。何かと縁がある。

特技のトロンボーンを使ったリズミカルで軽妙なコント。
司会の柳野さんも巻き込む。


続いて鶴香奈子。

空手の形を披露した。大会で優勝するほどの腕前である。
鶴はいつも酔っ払っては下ネタを言って先輩を何かと突き上げてくる。
その強さは空手にあったのか。広告界の和田アキ子。
きょうからそう名付けることにする。


ここで河合倫子を紹介。小原流いけばな教授ということで舞台装飾を担当してもらった。
先ほどぼくが座っていた椅子の周辺は彼女の装飾だ。
お願いしようにも花に使えるお金がまったくない。
「インドみたいにチープにいきましょか」とティッシュで花を作ってくれたのだった。


続いて小倉輝久の津軽三味線の演奏。


プロ並みの腕前に会場が静まり返る。
ちなみに小倉さんにあったことは今まで一度もない。
ただ津軽三味線が弾けると噂でききつけ、メールでお願いしたのである。
「もちろんやらせていただきます」と快諾してくれたからこそこの写真がある。

続いて、長久充と大石雄。「人間猫3分」という3分間ネコになるシュールなコントである。長髪の長久が四つん這いでずっと猫を演じている。

対する大石は飼い主という設定だ。彼と姿形が似ていて弟のように見えてきた。


最後はキャットフードを実際に食べる体を張った芸。
ちなみに今食っている長久は
サンダンス映画祭短編部門でグランプリを獲った誇らしい後輩だ。




中川真仁。彼とも面識は少ししかない。
彼はコピーライターでありながら
ハコグミとというお笑いコンビで漫才をしていると聞いていた。
「漫才をやってくれませんか?」とメールでお願いをする。
しかし、相方は別の会社であったため、今回は電通社員のみでやりたかったため、
相方の参加は断らせてもらった。
中川さんの参加は難しいかと思っていたが「ピン芸で何かやります」と単身参戦。
何にも頼らぬトークだけの三分間だった。その舞台度胸がすさまじい。


村田俊平。彼はスーパーマリオのクリア秒数の世界記録を持っている。

ファミコンをプロジェクタにつなぎ大画面でプレイ。その絵自体に感動した。


失敗してリセットボタンを押す。
緊張とブランクのためなかなかうまくいかないようだ。

このままクリアできずに終わるかと思ったが4回目の挑戦にて見事にクリア。
客席も拍手。そして何より客席が時間とともに埋まってきている。



山口有紀 ジャズシンガーである。
彼女も大阪にいたが最近東京に転勤になったばかりだ。

ハスキーで美しい歌声に会場は聞き入る。
ファミコンからの展開がたまらない







続いて村田香織
「働クローバーZ」として働く女性たち4名でアイドルグループのメンバーである。
今日はソロで登場だ。神であるぼくを巻き込み、


客席へ飛び込み、観客を巻き込む。照れが全くない。場慣れしている。


赤い衣装をパッと脱ぎ捨てこの衣装になった。
見事に振り切ったパフォーマンスであった。
今回、彼女とも面識は一切なかった。
会社でアイドルがいるという情報を頼りにメールで依頼したのだった。

ここで第一部が終了。ブレイクを挟む。飛び込みで芸を募集すると、一人手を挙げた。
一緒に仕事をしたことがある橋本慶だった。
彼がしたのは「オウンゴールあるある」。
彼は筑波大学サッカー部 OBで今もサッカーを続けている。
写真はヘディングのクリアミスによるオウンゴールシーンだ。
他にもスライディングしたりと最高だった。
そして、飛び込みの出演は彼だけだった。
もっと出ると思ったが当たり前か。出てくれた橋本に感謝である。

第2部へつづく・・・・


(写真:進藤祐光)