一夜明けた長女はなんとか元気を取り戻した。
何も見ないまま宿毛市を出て土佐清水に住む友人Aちゃんと合流した。
Aちゃんの案内で土佐清水を巡る。
連れて行ってくれたのは
辿り着いたのは「唐人駄場遺跡」というなんだか奇妙な名前の場所。
青い服の女性と比べてもらえばわかるだろう、山頂にある巨大な石たちを。
巨石の組成は全く違うのだそうだ。
つまり、1つの大きな岩が砕けたのではない。火山の石でもない。
誰かが置いたのだ、では、誰がこんな巨石を置いたのか。縄文時代に。
解説が客観的ではなく妙にスピリチュアルである。
長女も元気になって石を上る。
あれは屋久島の白谷雲水渓だけど。
巨石群を下って西に広場が広がっている。
中央上に見えるのが先程の巨石だ。
この広場のちょうど真ん中にテントを張った。
そう、ここで夜を過ごすのだ。
UFOを見たかったからだ。
ここはたくさんの目撃談がある。
しかも、巨石があるところはUFOが出やすいと聞く。
黒潮はどこにあるんだと海を遠く眺めていると、
見たことあるような人が風呂に入ってきた。
ま、まさか 会社の先輩の田中Mさんではないか。大阪の会社の先輩である。
そんな人が足摺岬の先端に来ることはあるわけはないが、
あまりに似ているので声をかけるとやっぱり田中さんである。
お互い全裸である。しかも、誕生日が同じである。
奥さんが高知の人だそうで、実家に帰るついでに足摺岬まで
足を伸ばしにきたとのこと。
こんな偶然あるものだろうか。
台風にシーズンには予約したくはない宿である。
テントに戻るともう夜だ。BBQをして夜が更けて行く。
子どもたちは寝静まり、妻と友人のAちゃんと大人3人であれやこれやと語っていた。
上空は満点の星空。天の川まで見える。
時折光る物体が星空を横切る。「UFOか!」と思ったら飛行機である。
何体も現れるがすべて飛行機である。
時折光る物体が星空を横切る。「UFOか!」と思ったら飛行機である。
何体も現れるがすべて飛行機である。
やがて地表付近にふわふわと光る物体が現れた。
「UFOか!」
光はやさしくやわらかく点滅をする。これはホタルである。
光はやさしくやわらかく点滅をする。これはホタルである。
なかなかUFOは現れない。
じゃあUFOの話をしようということになった。
すると「私、UFOに乗ったことがあるの」とAちゃんが
コズミックなカミングアウトをしてくれた。
すると「私、UFOに乗ったことがあるの」とAちゃんが
コズミックなカミングアウトをしてくれた。
Aちゃんが小学校高学年の頃である。
夜寝ている頃、突然外が明るく光った。
とても明るいのに一緒に寝ている妹はずっと寝ている。
体を起こして光の方を見ていると突然、心に何かが呼びかけた。
「こっちへおいで」
すると、Aちゃんは宇宙船の中にいた。
中には目が大きくいわゆるグレイのような宇宙人がいた。
宇宙人はAちゃんに語った。
「今から手のひらにチップを入れるからな。
左手の真ん中に入れとくわ。
そこには、Aちゃんが図画の授業でさしてしまった鉛筆の芯が残っていた。
「この隣に埋めとくな。 また3年後に取りにくるわ。」
そう言ってUFOは去っていった。
目が覚めるとAちゃんはベッドの上だ。Aちゃんは手のひらを見た。
手のひらには何も異変がない。
何もなかったのだろうか。ただの夢なのであろうか。
妹に聞いてみると、きのうは何にもおかしなことはなかったと言う。
ただの夢かと思ってAちゃんはしばらく普通に過ごした。
そして、3年後。寝ている時に外がまぶしく光った。
Aちゃんはまた宇宙船の中に入った。
「約束通りチップ取りにきたで。ほな」
宇宙人は去っていった。
翌朝、Aちゃんは手のひらを見た。
左手の鉛筆の芯がなくなっていた。
ぼくは鳥肌が立った。
空を見上げた。しかし、UFOは現れない。
今度はぼくがUFOのことを語り出した。
今まで出会ったUFOに詳しい人の話をぼくがざくっとまとめたのだ。
地球というのは宇宙の中ではとても遅れてるねん。ピラミッドを逆にするとそのいちばん下が地球人でその上にははるかに進んだ次元の宇宙人たちがたくさんいる。地球人は石油とか原子力とか低レベルのエネルギーを使っていて、とても野蛮やねん。原始人が火を使ってるような感覚なんかなあ。しかも、ずっと争いを繰り返すし、殺し合うし、とても野蛮やねんね。宇宙の中では厄介者で、地球は宇宙のスラムみたいなもんらしい。あそこに誰か宇宙人が行くとなると「 みんなが、えー、大丈夫?」ってなるねんて。
だから、まあ、宇宙を日本とすると、地球は西成みたいなもんやね。西成は、ややこしいやん。でも、気になるやん。なんか人間くさいし。助けようって思うやん。シスターとか、お坊さんとか、いろんなボランティアの人も来てるしね。そんな感じでさ、宇宙人は地球人が気になってたまに助けにきてくれるらしいねん。
ふと巨石があった山の方を見ると、光る物体があった。
星かと思ったが、星よりも白い光が同じ場所をぐるぐると小さな円を描いて回っている。
山の向こうは海だ。民家や人工的な光などあるわけながない。
俺「あれ、そうちゃう?」
A「そうやんね、あれ、なんか動きが違うと思っててん」
嫁「うそやん」
光は消えた。
俺「信じへんから消えたやん」
嫁「ぜったい気のせいや」
俺「円盤さんがどっか言ってもうたやんけ、あーあ」
嫁「円盤さんってなんやねん」
嫁「UFOのこと」
嫁「だいたいその円盤さんって言い方が気持ち悪いねん。
変な新興宗教みたいやねん」
俺「ちゃんねん。円盤さんはな、絶対的な神様みたいなんじゃなくて、
ちょっと偉い人、うーん、そやな、えべっさんみたいなもんやねん」
するとどうだろう。
また同じ場所UFOが光りはじめた。
嫁「あ、UFOや」
大人3人が揃ってUFOを見たのである。
酔ってはいない。ぼくと妻は下戸なんで完璧にシラフである。
ずっと、見ているとずっと見ていられる。
かれこれ30分はUFOをみんなで見ていただろうか。
光は時折、消えたり、白・赤・緑・黄色と色を変えたりした。
そろそろ寝ると二人は寝た。
ぼくは1人起きてずっとUFOを見ていた。
消える気配が一向にない。
小便でも行こうと立ち上がって南の空を見ると
10機ほどのUFOがいる。
一直線になったり、Wになったり、消えたり、ついたりしている。
先程のUFOとはまた光の質が違う。小さく弱い光だ。
これはすごいな。えらい体験やわ。
ボンネット取れたけど来てよかった。
これも、円盤さんを見るための試練やったのかもしれへん。
そんなことをつべこべ考えていると、眠気がおそってきた。
ぼくはテントに入って寝転んだ。
すると、どうだろう、寝るか寝ないかの状態の時に
急に体が熱くなってきた。
う、なんだ、と思って目を開けると
「ひゅんひゅんひゅん」という音がする。
ここには人工的なものがまったくないのにおかしい。
しかも、すごく近くで音がする。
これは友だちが映像で見せてくれたUFOの音だ。
何かが呼びかけた。
「乗るか?」
「ええんですか?」
「ええよ」
「帰ってこれますか?」
「帰ってこれる 帰ってこれる」
安全を強調したかったのか二度繰り返した。
「ほな乗りますわ」
すると、体が熱くなり、まるで
幽体離脱をするかのように上へと体があがっていった。
「でも、戻ってこれへんかったらどうしよ、家族もいるしなあ」
と思ったとたん。すべては消えてしまった。
音は何もしなくなった。
嗚呼、ぼくは信じ切れなかったのだ。
朦朧とした頭で後悔しつつ、うつらうつらと寝てしまった。
すべてこれは真実である。
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