
椿堂(善通寺)なる寺院にやってきた。

これが目当ての本堂である。

本堂の軒下は、これ。
髪の毛&ギブス

アップで繰り返そう。髪の毛と
ギブス
髪の毛と
ギブス。
「解剖台の上のミシンとこうもり傘の偶然の出会いのように美しい」とは
シュルレアリスムの原則を表していると称されるロートレアモンの一文だが
「寺の軒下の髪の毛とギブスの偶然の出会い」も非常に美しい。

右手は松葉杖がかかっている。
この髪の毛とギブスは亡くなった人の・・・・と思ったかもしれない。
違うのである、このギブスの文字を見てほしい。
「昭和5年11月18日 御願成就」と書いてある。
願いが成就すれば、その髪の毛とギブスを奉納するのだ。

本堂の奥は洞窟になっている。
そこには飾りきれなかったギブスが山積みされていた。
奥には水が湧き出ていた。
空海が椿の錫杖で水をわき出させた。
この水が病気を治癒する霊水である。
ぼくも飲んでみた。少し塩辛い。何か成分が溶け込んでいるのであろうか。

そのお地蔵さんは空海だろうか。
ハワイアンなよだれかけがかけられてある。

境内の他の場所にも飾りきれなかった髪の毛とギブスが山積みされていた。
本堂には参拝客が何人かおり、今でも椿堂への信仰が厚いことが理解できた。

参道脇の民家にぽつんとおかれた野菜たち。
椿堂、写真で見ると気持ち悪いかもしれないが、
祈願が成就した御礼の品々だからだろうか、
現地では思った以上にイヤな感覚はなかった。 (黒土 豊後高田)