2020年11月14日土曜日

海士町のグルーヴ

ついに海士町へ。
第一印象はゴミが少ない。
街の中心は数キロほど漁港に面しているのに、漁港特有のゴミや匂いがない。
海士町はここ10年ほど、ずっと行きたかった場所だった。







海士町の有名なキャッチフレーズ。
「ないものはないんだから、おれたちでやるしかない」
「存在しないものはない。すべてある」
2つの意味がある。

地方創生の仕事をした人はほぼ誰でも知っている、
知っていなくてはならないキャッチフレーズである。
地方創生というのがブームになる前に、
もう海士町は独自に地方創生を進めていた。
日本全国が「地方創生」という国からの施策でわさわさと動き出したときに
まず参考にしたのは海士町だった。

破綻寸前だった財政が蘇り、
移住者が増えて、島の小さな高校には全国から留学生がやってきて、
ベンチャー企業がたくさんできている。
くわしくはこのジモコロの記事を読んでもらうとわかってもらえる。
ぼくもずっと行きたかった場所だった。

海士町は改めて行ったけど、遠い。
大阪から松江まで4時間。松江からフェリーで3時間。
地の利が悪すぎる。よくもまあ、こんな場所で奇跡を起こしたものである。

実際に海士町に行った人に「おもしろいところないですか?」と
聞いたところ、役所の方を紹介しますということで、
フェリーに着くと、いきなり濱中さんという人が来てくれた。
まずは、ランチを食い、その後、色んなところへ連れていってくれた。

で、実際に町の施設やレストランなどに、たくさんの移住者がいるのである。
今まで、いろんなところに行ったけれども、ここはなんだか違う雰囲気。

まず連れていってくれたのは隠岐國学習センター。
サイトの紹介を引用すると

隠岐國学習センターとは、隠岐島前高校と連携した公立塾です。
「グローカル人材の育成」という島前高校と共通の目標を掲げ、 
ひとりひとりの進路実現を支援しています。

高校と連携している塾というだけですごいのに、
公立の塾であるというだけですごいのに、
グローカル人材の育成って。


学習センターのスタッフさんと盛り上がり、
ぼくが数日後に講義をすることが突然決定する。



そのあとは、海士町にあるコンサルティング会社「風と土と」へ。
主には企業研修を海士町で行っている。
海士町に企業がくるんですか?というと、本当にたくさん来るようで。
トヨタと三菱重工の合同研修があるんで、日下さんも参加しませんか?といわれて
え、そんな大企業のに、旅行できたぼくみたいなやつでいいのというと、
そんな気軽さがいいということで、ぼくもちょい役で参加することに。

到着してからの巻き込まれ感が半端ない。
これが海士町のグルーヴなのだろう。他の場所とは明らかに違う。
漁村ののどかな風景に比して、BPMが速すぎる。



そして、数日後の企業研修にぼくもなんだか参加。

ぼくが釣りをしているときも研修は続いていた。
いいよな、この研修。



研修の2時間後、隠岐國学習センターで地元の高校生たちに講義をする。

きいてくれたみんなと記念撮影。
そして、世界一大好きなバンド
ボアダムスのYOSHIMIさんの娘さんがいて、うれしいやら緊張するやら。



伝説の山内前町長とも話ができた。
財政破綻寸前の海士町の町長に就任後、
まずは自分の給与を5割カット。その後、数々の改革を成し遂げ、
黒字財政とたくさんの移住者を呼び込んだ。

話を聞くと「ほんとあのやろうがいろいろ言いやがって大変だったんだ」と、
ずっと戦ってきた、反骨の人、そんな感じの人だった。

すごい人の共通点はすぐに本質を話すということ。
本質以外の余計な話は話さない。
今まで何度かそういう人に会っている。

ここに山内さんのインタビューがあるので興味があれば。



いろんな人から絶対に行ったほうがいいと言われた「なかむら旅館」。
愉快な旅人が集まるゲストハウスと、
センスあるライブハウスと、
居酒屋の名店がセットになったと思って欲しい。
パラダイスだ。

オーナーの中村夫妻。
左のテツさんはミュージシャンということもあって、
いろんな人をここに呼んだり、
自分でフェスをしてまったり(借金だらけになったそう)
だからだろうか、ミュージシャン特有のアホなノリがある。
海士町は「地方創生の先進地」と意識高めに構えて来ていただけに、
ここにきてふと心が緩んで、自分のホーム感を覚えた。

(画像は amatte より)






で、話をしてると、実はお店のショップカードは
「商店街ポスター展」を参考にしたのと教えてくれて。


商店街ポスター展の中にある、そのエッセンスをきちんと理解し、
彼らなりに昇華して、いいデザインに仕上げてくれて。
しかも、きちんとお店の役に立っているから
腰を抜かすほどうれしかった。
だから、女将さんのミカさんはぼくには塩対応じゃなかったのかもしれない。




そして、最後にみんなでUFOを呼ぶ。
昼間に釣りをしていた海沿いの明屋海岸という場所にてコンタクト。
本当これがたくさんきちゃいまして。
講演とUFOがセットになってきたここ最近。
なんと今回はテツさんが動画に仕上げてくれた。
UFOが現れた興奮が収められているのでぜひ。


隠岐、海士町、なかむら旅館、
また、帰るべきところが増えた。

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