スキーのあとは、大野の隣の勝山の左義長祭りへやってきた。
勝山の中心部には屋台が出たり、
法被姿の子が歩いたりと真冬にも関わらず賑やかである。
もうこれは、すくうのではなく、外枠にひっかけている。
大阪の屋台では許されない技である。北陸の人はおおらかなのだろう。
老夫婦が大量のぬいぐるみを運んでいる。
屋台の景品か何かだろうか。

目当てのものにたどり着いた。
お祭りの櫓である。
櫓の上でお囃子に合わせて子どもが優雅に踊っている。
お囃子は横で生演奏だ。
三味線、笛、鉦、太鼓のお馬鹿でノリのいいとてもアッパーな曲。
体を動かさずにはいられない。
くるくるとバチを回し、踊って、魅せて、太鼓を叩く。
こちらは陽気なおじさん。
志村けんのへんなおじさんのルーツは左義長祭りにあるのではないだろうか。
地元勝山高校の日本文化部の部員たち。
髪型もキメて、文化系っぽくないやんちゃぶり。
男子と女子と打ち手が代わる代わる変わって行く。
若者も祭りのルールに従いつつも、羽目を外して思い切り祭りを楽しんでいる。
こんな祭りはだんじり祭り以来だろうか。
若者が祭りで馬鹿騒ぎをするのは完全に善である。
別の櫓では子どもたちが大集合。

ちょっと腹ごしらえに屋台へと行く。
シャネルとカステラがモノクロでキマっている。
こちらはド派手な屋台。
大阪では普通だが雪の降り積もった街で見ると目が痛い。
まるでKKKのようである。
これが左義長祭りのクライマックスのどんど焼きだ。
これで祭りは終わりである。
河原から街中に戻るとまだ祭りが続いていた。
祭りが終わるのを惜しむように太鼓を叩く。
それを見上げる親。
「息子も大きくなったなあ」と親たちは今晩は子どもの無茶を許すのだろう。
ああ、ぼくもこんな風に親に見上げられたかったし、
こんな風に子どもを見上げたい。
そろそろ、帰る頃である。
左義長祭りの歌と踊りは写真では伝わりにくいので
ぜひ以下の動画で見て欲しい。