道後温泉の先、石手寺へ。
松山のおすすめをきくと、趣味があう人がこぞってすすめるので行ってみた。
入口のど真ん中に「集団自衛権不用」の看板がある。
山門にも看板。
運慶快慶作の国宝の前にこれである。
もっと国宝を大切に扱うようにと国から言われたらしいが
「国宝に指定される前からずっとここにあったんじゃい」と
突っぱねたらしい。かっこいい。
山門をくぐる。
広い境内にはお経が鳴り響いている。
雰囲気ある境内の一画には
数分にしてお遍路を巡れてしまうサービス精神あふれるコーナーがある。
境内を横切り、奥へと進む。
「マントラ洞窟」なる場所へ。
地蔵がずらりと並んでいる。
洞窟を抜けると空気が変わる。
閻魔大王が鎮座する英語表記のポップなゲート
ゲートをくぐると朽ちた像
さらに奥へと進むと宇宙船のような物体が現れた。
中に入って写真を撮ろうとすると、
法事をされているご遺族の方がいらっしゃったのですぐに去る。
ここは納骨堂なのであった。
納骨堂の右手には断食するブッダの巨大な象がある。
ポリカーボネートだけど
その周囲には木像がずらりと並ぶ
仏像とも何ともつかない像がたくさん置かれている。
「世の中の不思議なものが全部ここにあるみたい」
とこの場にいた女性観光客がぽろりとこぼした。
寺と閻魔大王パークの間には幼稚園がある。
まるで天国と地獄の間にあるような場所で
園児はどのように育つのだろうか。
幼稚園の前でお遍路巡りの巡礼者が五十二番目のお寺の位置を訊ねている。
また境内に戻る。今度はインドの仏像が置いてあるコーナーへ。
ブッタの一生がこの彫刻で表現されている。
キリスト教の教会のステンドグラスにイエスの一生が描かれているように。
インドで見た寺院を思い出す。
このようにインドで制作されたレリーフがある中・・・
なぜかレリーフ:タヌキ=4:1の割合で置かれている。
さらには仏教の用語を解説したパネルやボードがあったり、
浄財の使い途をきちんと賽銭箱に明記したり
その活動報告を行っている。
この寺の魅力は何だろうか。
国宝がありながらも、珍スポットでもある、この二面性はもちろんだが、
それ以上に、全体にサービス精神にあふれているのである。
わかりやすく仏教の教えを説いたり、仏の一生を説明したりと、
仏教というものを真剣に教えようという姿勢を感じるのである。
これが寺のそもそもの目的ではないだろうか、
京都やどこらの格式ある寺が忘れてしまったもの。
寺というよりは仏教寺院というべきだろうか。
ぼくの好きなお寺はここ石手寺と四天王寺。
共通点は両方が入場料無料であること。
立派なものがたくさんあるのになんだか敷居が低く感じること。
地元住民に愛されていること。
ついついここに半日ほどいてしまって、
ほとんど道後温泉の観光ができず、帰路に着く。
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