2019年4月12日金曜日

ヒスイおじさんと悲しい砂浜

糸魚川はヒスイの産地。
先月行った青森の三内丸山遺跡にも、糸魚川産のヒスイの勾玉があった。



海岸で誰でもヒスイが拾えるということで海に行ってみた。
コンビニからは海が見える。

ヒスイ海岸に降りてみると美しい光景が広がる。
黒、赤、白、緑、それがヒスイかどうかはわからないけれど
まるで水槽に敷く色とりどりの砂利のように確かに、いろんな色の石がある。

何かを物色している人がいる。


じっくりと石を検分している。

拾う。

鑑定する。ポケットに入れたのでおそらくヒスイなのだろう。

女性も向こうからやってきた。
道具といい、服装といい、手慣れている。


ヒスイおじさんと話してみると東京から15年ヒスイを取りに通っているとのこと。
ぼくの石もみてもらうとすべてまったくヒスイではなかった。


おじさんはまるで修行のように海の中を歩き続ける。


昨年末も新潟に行って思ったのだが、新潟の砂浜はもの悲しい。
新潟の日本海沿いはどこまで続くんだという長い砂浜が広がっている。
ビーチがたくさんだ。うらやましいはずである。
しかし、どうも切ないのである。
季節が晩秋や初春で夏ではないからかもしれないが、
それを差し置いても悲しいのである。

そんなことをツイッターでつぶやくと、
新潟の砂浜は過去になんども拉致があったからだとリプライがあった。
一人で歩いていてはいけないと子どものころよく言われたそうだ。
その悲しみが砂浜に沈殿しているからなのか、
それとも何か別の理由があるからなのか。
切なく、美しい海岸であった。

(押上 糸魚川)

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