信濃川の河口、海からの波と川の流れがぶつかり合い、
まるで巨漢力士同士の立ち合いのようなバチンと激しい音を立て、
大きな水飛沫をあげている。
相反する2つの力がぶつかると大きな力が生まれる。
人間もそうかもしれない。
相矛盾する2つの思考を持つ人間は
それがぶつかりあうときに大きな力を生むのではないだろうかと。
迷いなき真っ直ぐなの1つの大きな流れよりも、
相反する2つの流れがぶつかり合うほうが大きな力をうむのではないかと。
自身の人生を振り返りそう思う。
ドストエフスキーは無神論の共産主義と絶対的に神に帰依する
ロシア正教をともに信奉し、
そのぶつかり合いが『カラマーゾフの兄弟』という類稀なる作品を生んだ。
と、理屈っぽくなるのは日本海の曇天のせいである。
(関屋 新潟)
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