2018年7月13日金曜日

今、生きてる場所でやるんやで

長野駅から善光寺の方に向かうたどり着いたこの建物。
やってこ!シンカイという奇妙な名前。


中には椅子が何脚かある。クーラーはない。長野とはいえど暑い。
もともと金物屋だった場所をDIYで改装した。
この手作りのスペースで今日も出版イベントである。


こんな感じて始まった。



ぼくと編集の高部さん



お相手は、シンカイ!のオーナーでもあり、ジモコロ編集長の徳谷柿次郎(写真左。以下、柿ちゃん)と、フリーペーパー「鶴と亀」の小林直博(以下小林くん)。
相手に申し分はない。

「今、生きていき場所でやるんやで」というテーマはこの3人だからこそ言いえた
タイトルである大阪という場所でやってる日下、飯山という場所でやってる小林、
いろんな場所でやってる人を取材してきて、自分も長野でやってる徳谷、
3人によるローカル賛歌である。

小林くんとは彼の写真集『鶴と亀 禄』の出版イベントを大阪でしてからのつきあいである。彼の写真集のあとがきがすばらしく、そこから今回のイベント名も着想を得ている。ぼくの本でも引用させてもらった。使わせてもらった。

奥信濃のじいちゃんばあちゃんの魅力はなんですか?と聞かれたら、生活力がすごいとか、生きる力が強いとか答えていた。確かにそれもあるんだけど、それが一番じゃないなと思った。なんというか、奥信濃という決して生きやすくない場所で、「しょうがねえ」って生きているみたいなところにグッときているんだと思う。
自分も今、生まれ育った奥信濃でそんな感じで生きていこうと思っているのもある。じいちゃんばあちゃんたちは、どこで暮らすかなんていう選択の機会はあまりなく、まあここで生きていくしかねえよって生きてきた人たちがほとんどだと思う。逆にぼくは、小さい頃から何をしたっていいし、どこで暮らしたっていいって言われて生きてきた。便利で自由な時代のおかげで、色んなところにいったり、色んな情報をネットで見たりする。でも、どんなに暮らしやすいところだって大変なことはあるっぽいし、もう「素敵な暮らし」をするために選択しなくちゃいけないことが多すぎて、若干面倒くさくなってたりする。だったらもう、この生まれ育った奥信濃で「しょうがねえ」生きていくか、みたいな。しょうがねえ、しょうがねえって言ってるけど、そんな悲観的でもない。
〜中略〜
これからもなんとか死なない程度に奥信濃で「しょうがねえ」って生きていこうと思う。「じいちゃんばあちゃんみたいに」

柿ちゃんとの繋がりはジモコロに何度か掲載してもらったのがきっかけだ。
書き手はしおたん。とても豪華なとりあわせだった。

近畿大学の記事
海外追放?学費が高い?スパルタな近大国際学部が「事実」を伝えてバズった理由
https://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/entry/ciotan01

福井県大野市の記事
地元を離れた、全ての都会人へ。こんな田舎に帰りたくないですか?
https://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/entry/ciotan02

両方、良記事なのでぜひ読んでいただきたい。

それから、柿ちゃんが出演する大阪のイベントに行ったり、
大野でぼく、柿ちゃん、小林くんの3人で一緒にイベントをやったり、
彼の取材についていったりという繋がりでもある。

彼はジモコロ、そしてBAMPというメディアで地方の声を拾い上げて、WEBという拡声器を通して大きな声にして届けている。柿ちゃんの拡声器は人肌とユーモアがあって、どんな人にでも聞こえるように滑舌がよくて大きな声を出している。彼自身の「ローカルでやってこ!今やってこ!」という精神もこのタイトルに込められている。

そのテーマ通り、今、生きている場所でやっていくことを語った。
それは住んでいる場所ではなく、今いる会社、今いる部署で。
東京や、他の会社にに憧れるのではなく、今、いる場所で。
そんなことを語った2時間弱。

今、生きてる場所でやる人がたくさん増えて、ローカルそれぞれが楽しくなって、
ローカルに人が流れて、東京の一極集中がなくなって、それぞれのカルチャーが
とてもおもしろくなって、ローカルカルチャーの群雄割拠の時代が来ますように。
そうなると日本はとっても楽しくなると思うのである



お客さんは多くはなかったけど、濃密だった。楽しかった。
最後はやってこ!ポーズ

最後は「ヤンキーマ カレー」を出してくれていた
長野飯山のカレー屋さん「ペンディクトン」の木原孝さんと。
ヤンキーとキーマって「キー」しかあってないじゃないか。
どこにもアホがいるものである。木原さん、やってるわ。


(善光寺 長野)  写真協力 藤原慶



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